ウイスキーの銘柄を見ていると、「グレンフィディック」「グレンリベット」「グレンモーレンジ」など、「グレン〇〇」という名前がやたらと多いことに気づくと思います。
「なんでウイスキーには『グレン』が付く名前が多いの？」
「グレンってどういう意味？」
そんな疑問を持った方のために、今回は「グレン〇〇」の由来や、代表的なウイスキーを詳しく解説します！
「グレン」の意味とは？
「グレン（Glen）」は、スコットランド・ゲール語で「谷」を意味します。
スコットランドには多くの谷があり、昔から川や湧き水が豊富な場所として知られています。
ウイスキーの製造には良質な水が欠かせません。
そのため、多くの蒸留所が谷間（グレン）に作られ、そこから「グレン〇〇」という名前が生まれました。
特にスペイサイド地方やハイランド地方には「グレン」が付く蒸留所が数多くあります。
なぜウイスキーに「グレン〇〇」が多いのか？
ウイスキーづくりには「水」「気候」「土地」が大きく影響します。
スコットランドの谷間には、以下のような条件がそろっていたため、多くの蒸留所が「グレン」と名のつく場所に建てられました。
- 水源が豊富で、軟水が手に入りやすい
- 冷涼な気候で、ウイスキーの熟成に適している
- 谷間の地形が湿度を保ち、熟成を助ける
これらの条件に恵まれた場所でウイスキーづくりが盛んになり、蒸留所の名前に「グレン」が使われることが多くなったのです。
「グレン」が付く代表的な蒸留所とウイスキー
1. グレンフィディック（Glenfiddich）
- 意味：「鹿の谷」
- 特徴：シングルモルト市場で圧倒的な知名度を誇るウイスキー。洋梨のようなフルーティーな香りが特徴。
2. グレンリベット（The Glenlivet）
- 意味：「リベット川の谷」
- 特徴：フローラルでなめらかな味わい。スコッチシングルモルトの元祖とも言われる。
3. グレンモーレンジ（Glenmorangie）
- 意味：「静寂の谷」
- 特徴：長いポットスチル（蒸留器）を使用し、軽やかでエレガントな味わい。
4. グレングラント（Glen Grant）
- 意味：「グラントの谷」
- 特徴：軽やかで飲みやすいシングルモルト。スペイサイドを代表する銘柄のひとつ。
5. グレンスコシア（Glen Scotia）
- 意味：「スコットランドの谷」
- 特徴：キャンベルタウン地方に残る数少ない蒸留所のひとつ。海風を感じるウイスキー。
「グレン」が付かないウイスキーもある？
「グレン〇〇」の名前が多い一方で、すべてのスコッチウイスキーに「グレン」が付くわけではありません。
例えば、スペイサイドやハイランド地方でも、「マッカラン」「アードベッグ」「ラガヴーリン」など、「グレン」を使っていない有名な蒸留所もたくさんあります。
「グレン」という言葉は地名に由来するため、蒸留所が谷間に位置していなければ、「グレン」の名を付けることは少ないのです。
また、過去には「グレン〇〇」と名乗ることでブランド価値を高めようとする動きもありました。
例えば「グレンリベット」は、かつて「The Glenlivet（ザ・グレンリベット）」の名称を独占するために法廷闘争を繰り広げた歴史があります。
まとめ：「グレン〇〇」はスコッチウイスキーの象徴のひとつ！
「グレン〇〇」のウイスキーが多いのは、スコットランドの谷間に蒸留所が集中しているからでした。
- 「グレン（Glen）」はゲール語で「谷」
- 良質な水がある場所に蒸留所が建てられた
- スペイサイドやハイランド地方に「グレン〇〇」が多い
ウイスキーの名前に込められた意味を知ると、より一層楽しみが広がりますね。
次回ウイスキーを選ぶときは、「グレン〇〇」の由来を思い出しながら飲んでみてください！
